お電話で無料相談

受信 9:30~17:30(土日祝除く)

デロイトトーマツ

コラム記事
column

医療法人と株式会社の違いと医療法人特有の事業承継の難しさ(前編)

2020/05/01
M&A

前回は「医療法人の基本知識と診療所の事業承継」について述べました。医療法人に馴染みにない方に向けて、株式会社と比較して違いを説明します。

1. 医療法人と株式会社との違い

図表1 出資持分のある医療法人と株式会社(監査役設置会社)の機関の比較

図表1をご覧ください。出資持分のある医療法人と株式会社(監査役設置会社)の機関をまとめております。それぞれの機関の役割は、医療法人であっても株式会社であっても同じような構造になっていることが見てとれるでしょう。では、それぞれの違いはどこにあるのでしょうか。

例えば、法人成立という観点で考えてみましょう。株式会社の成立については、会社法第49条に「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」とされています。一方、医療法人の成立は、医療法46条第1項に「医療法人は都道府県知事の認可後、設立の登記をすることで成立する」とされています。医療法人においては「都道府県知事の認可後」、つまり設立登記前に行政との手続きが必要となる点が、株式会社と違いのひとつになります。

また、医療法第7条第5項において、「営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、前項の規定にかかわらず、第1項の許可を与えないことができる。」と医療法人の営利性が否定されています。そのため医療法人は株式会社と異なり、非営利法人に分類されます。そのことに留意しつつ、その他の違いについても、確認していきましょう。

図表2 社団医療法人と株式会社の比較

図表2をご覧ください。先に述べた通り、準拠する法律が医療法人と株式会社において異なっています。そのために株式会社では当たり前のことが、医療法人では当たり前ではないことも多くあり、その違いを認識することが大切です。

「法人代表者」は医療法人では理事長、株式会社では代表取締役です。経営の中心としての役割は変わりませんが、医療法人の場合は原則医師/歯科医師になります。都道府県知事の認可を受けて例外的に医師/歯科医師以外の方が、医療法人の理事長になることもありますが、様々な要件が定められており、医師以外の理事長はごく稀なケースと言えるでしょう。

「出資者」は株式会社においては株主であり、最高意思決定機関である株主総会は株主で構成されています。図表1を見返して下さい。何か気づくことはありませんか。医療法人における社員総会は社員で構成されていますが、図表2の出資持分のある医療法人の「出資者」は社員ではなく、「出資した社員」と記載されています。つまり、出資をせずとも社員になれるため、必ずしも社員と出資者が一致しません。

では、「議決権」はどうでしょうか。株式会社であれば、株式数に応じて議決権が与えられることが一般的です。一方で、医療法人は社員1人に対して1票であり、出資額に左右されることはありません。

「配当の可否」に目を移すと、医療法人では剰余金(利益)の配当はできません。

「残余財産の帰属」については、第五次医療法改正以降に設立された医療法人では、「国、地方公共団体、医療法人その他の医療を提供する者であって厚生労働省令で定める者」から選出されます。なお、出資持分のある医療法人には経過措置が定められており、残余財産の帰属先について改正前の取扱いが引き続き認められています。

その他にも医療法人と株式会社においての違いはありますが、大枠をご理解いただけたかと思います。

関連記事

医療法人と株式会社の違いと医療法人特有の事業承継の難しさ(後編)(2020/5/11)

医療法人の基本知識と診療所の事業承継(前編)(2020/3/9)

医療法人の基本知識と診療所の事業承継(後編)(2020/3/16)

ご案内

会社・事業の譲渡・譲受に係るご相談はこちら(無料)

M&Aプラス ライト会員のご入会はこちら(無料)

M&Aプラス スタンダード会員・プロフェッショナル会員のご入会はこちら(有料)

まずは、
お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください。

0800-919-0066無料

WEBから
会員登録