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業界動向・知識 病院編 ~ 医療法人の基本知識と診療所の事業承継(後編)~

2020/03/16
M&A

前回は医療法人の基本知識を中心に述べました。今回は診療所の事業承継について焦点を当て、現状の把握から今後の課題を考えていきます。

2.医療法人数の推移

図表2 医療法人数の推移

昭和27年(1952年)以降、国税庁の行政指導もあり、財団医療法人の数は大きく増えていません。

平成19年(2007年)の第五次医療法改正以降も変わらずに、社団医療法人数は増え続けています。2019年3月末時点での社団医療法人数は54,416法人と医療法人全体の99.32%を占めます。

昭和60年(1985年)の第一次医療改正法において、一人医師医療法人の設立が認められた以降、医療法人の中でも一人医師医療法人数は年々増えています。2019年3月末時点での一人医師医療法人数は、45,541法人と医療法人全体の83.12%を占めています。

3.医療所の事業承継

図表3 年齢階級、施設の種別にみた医療施設に従事する医師数及び施設の種別医師の平均年齢

39歳以下の大半の医師が病院で従事していますが、40代を境に診療所で従事する医師数が増えています。60代になると診療所に従事する医師数が病院に従事する医師数を上回ります。この表から2つのことを考えられます。

1つ目は医師の高齢化に伴う診療所の廃院増加の懸念です。診療所を担う医師の49.8%(51,754人)が60歳以上であり、70歳以上になると20.2%(21,020人)を占めるほど高齢化が進んでいます。今後医師の高齢化を理由に引退されるケースが増えることが想定されます。地域医療連携において診療所は、地域の患者さんとの窓口になります。その窓口が減れば、地域医療連携に支障が出る可能性もあるでしょう。

2つ目は経験を積んだ40代の医師との診療所の事業承継への期待です。新規開業という選択のほかに、親族外の事業承継という選択はまだ多くありませんが、今後その数は増えるのではないかと考えています。親族外の事業承継が少ない理由のひとつは、そのメリットがあまり認識されていないことだと思われます。事業承継は新規開業と比べて初期投資を抑えられ、スタッフも確保でき、且つ患者の多い診療所であれば、開業リスクは少なくなる傾向にあります。一方で事業承継においては、引継ぎにおける苦労も多いようで、機材は古く、レイアウトも理想通りにならないといったこともあるようです。

医院承継について考察してきましたが、全国に目を広げれば地域によって様相は異なります。医師の数は年々増加している一方で、国内の人口は減少しています。そのため一部の地域では医院が過剰気味になっています。地域によって求められる医療は異なるため、「医療供給体制が不足している地域における診療所の事業承継」こそが、今後の地域医療を守るうえで必要なことといえるでしょう。

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