ネームクリアとは
基礎知識・ノウハウ
M&A検討時に、「ネームクリアのうえ進めさせてください」「ネームクリアをお願いできますか」と言われることがあります。
みなさま、最初は「ネームクリアとは何か？」となったことがあるのではないでしょうか。
特に、譲渡を検討する経営者の方や、初めて買収を検討する買手企業、ならびに初めてM&Aの相談を受けた方には、馴染みのない表現かと思います。
今回は、「ネームクリア」という用語の意味と、M&Aにおいて実際にどのような目的で利用されるのかについて解説していきますので、参考にしていただけますと幸いです。
それでは、早速みていきましょう。
1．ネームクリアとは
ネームクリアとは、「企業名を相手先に開示すること」を指します。
M&Aでの「ネームクリア」というと、買手候補先に対して、譲渡対象会社名を開示することを指すことが一般的です。一方で譲渡対象先に対して、買手候補先名を開示することを指すこともあり、実際にはケースバイケースとなります。
2．ネームクリアの目的
ところで、ネームクリアは本来何のために行うのか、相手の目的は何か素朴な疑問を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ネームクリアを行う目的として多いのが「効率的にM&Aを行う初期的な動き」になります。
具体的には以下のようなものがあります。
(売手目線)「売手名を買手に開示したい」
・ スピーディーにM&Aの検討を行ってもらうために、早い段階で自社(売手)名を開示したい
※ 一般的には秘密保持契約(NDA)後に開示されます。
(買手目線)「売手名を自社(買手)に開示してほしい」
・ ノンネーム(売手名を伏せた初期的な簡易)情報だけでは判断がつかないため、売手名を開示してほしい
(売手目線) 「買手名を自社(売手)に開示してほしい」
・ 過去に多数の買手候補先と検討しており、初期段階で買手名を知って、重複していないか確認したい
・ 同エリアや検討NGな企業が固まっており、打診があった買手先が問題ないか確認したい
(買手目線) 「自社(買手)名を売手に開示したい」
・ M&Aを多数行っており、事前に自社(買手)と検討してもらえるのか入口で確認してほしい
・ NDA手続きで時間を要した後にNGとなることを避けたいため、NDA前に自社(買手)名を開示し検討可否を知りたい
3．M&Aプラスにて扱っている案件は？
では、M&Aプラスでは「ネームクリア」に関してルールが定まっているのでしょうか？
答えは「ルールは設けていない」になります。
売手、買手それぞれの意向に沿って、ニーズをお預かりしており、以下のようにニーズも様々です。
・ マッチングのタイミングでネームクリアを希望される案件
・ マッチング後、個別NDA締結後にネームクリアされる場合
・ マッチング後、個別NDA締結後もネームクリアをせず、買手企業へ売手企業の企業概要書(IM)が提案される場合
4．最後に
ここまで「ネームクリア」について解説しました。利用ニーズを交えて解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
「ネームクリア」に限らずM&Aの進め方に関して重要なのは、「企業のM&Aに関する進め方や要望を、的確に理解し円滑に進むよう努めてくれるアドバイザーとの出会い」です。そのため、ニーズや事情を理解してくれる信頼のおけるアドバイザーとの出会いの場が非常に重要になってきます。
「M&Aプラス」では、全国各地で計500社を超えるアドバイザー会員(FA会員)にご登録いただいています。
・ どのようにアドバイザーを選んでいいのかわからない
・ 近くに相談できるアドバイザーがいない
など、二人三脚でM&Aの検討を進めていくアドバイザーとの出会いに悩まれている経営者様はぜひ「M&Aプラス」までお気軽にお問い合わせください。
執筆者
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
イノベーション FAプラットフォーム
ジュニアアナリスト 櫻井 桃子
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