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宿泊関連施設への視線

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7都道府県に「緊急事態宣言」が発出されてからおおよそ6か月がたちました。まだ6か月、という受け止め方がある一方で、この間様々な状況の変化があり、当時と比べると状況が随分と変わってきた感もあります。

ロックダウンという語感の強い対策も取りざたされましたし、県境を超えないことが不思議と重要視された時期もありました。ここへきてプロスポーツなどのイベントの入場制限緩和も目に見えて進んできています。

Go Toキャンペーンに関して「油断をするな」と揶揄するような論調も、ひところよりは目にしなくなってきたと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は宿泊関連施設の回復シナリオや今後の投資価値についての考え方などを、当社トラベル ホスピタリティ&レジャー(THL)チームの調査結果なども踏まえてご紹介したいと思います。

1. コロナに強い高級施設

少し前と比べて出張で地方へ伺う機会が随分と増えてきました。新幹線も満席ではないとしても、座席は60%くらいが埋まっているでしょうか。東京からの来客受け入れ禁止中、とお客様に言われることももうありません。

ですが2020年上半期の集計では、すでに前年(72件)を上回る80件もの旅館・ホテル・簡易宿所の倒産が発生しています(株式会社帝国データバンク 旅館・ホテル・簡易宿所の倒産動向調査(2020年上半期)より)。

当社THLチームの調べによりますと、インバウンドや団体旅行に依存した施設の破綻が目立った一方で、平均客室単価が50,000円以上の高級施設では、5月から6月にかけての第一波収束期に各地で企画された「県民割引キャンペーン」など、マイクロツーリズム推進の恩恵を受けたことによる回復が確認されているとのこと。

高級施設は、部屋食提供や個室ダイニングを備えていること、少人数の滞在が主である、というハード面の特性から、コロナ禍においても安心・安全であることをアピールしやすく、需要の回復が早期に見込める業態です。その傾向は、続いて足下で推進されている「Go To キャンペーン」でさらに強まることが予想されています。

2. テレワークと宿泊関連施設

パーソル総合研究所の「緊急事態宣言解除後のテレワークの実態についての調査」によりますと、緊急事態宣言を解除した時点で、テレワーク実施率全国平均は25.7%。その後は多少低下しているようですが、制度とインフラを整備してテレワークを常態化しつつある組織も、業種などにはよりますが、一定の比率に達していると思われます。同調査では、テレワークの継続を希望する人の割合は69.4%で、特に若年層や女性に希望率が高く、20代女性は79.3%に達するそうです。

そういった調査結果からは、宿泊関連施設が観光目的ばかりではなく、仕事や生活の場としての価値を検討されることも考えられるかもしれません。実際にハワイの高級コンドミニアム群がリゾートワークの場として注目を集め、投資先として関心を集めているといわれているとともに、国内でも地方の施設において、リゾート地でリラックスしながら仕事を行えるという「リゾート+テレワーク」の誘致が一部で起こり始めているといわれています(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー 新型頃のウイルス感染症の感染拡大による宿泊関連業への影響と今後の予測、より)。

業界の構造的な課題といえる「閑散期」「平日」の稼働率問題のソリューションにもなりえるという観点から注目されます。休むように働く、というニュアンスのある「ワーケーション」ですと、休みが「主」の印象でオフィスとしての性質は薄れますが、テレワークをリゾート地で=「リゾートワーク」という切り口で推進することで企業の導入意欲を高めることができるかもしれません。

3. 宿泊関連施設に向けられた投資家の視点

上記の「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による宿泊関連業への影響と今後の予測」では、地方の高級施設においては宿泊者の大半を国内顧客が占めているため、仮に感染再拡大という局面になっても影響は軽微である、との見方が一部にあることも紹介されています。

「今後、日本ならではのおもてなし文化、3密回避のうえで上げ膳据え膳、客室おこもりの滞在が、消費者側からも事業者からも、投資家からも安定モデルとして再評価されるのではないだろうか」とまとめられています。

投資家として、新型コロナの影響で割安となる案件に注目すべきか、影響が新しいモデル創出につながりそうな高級施設に注目すべきか、という視点が重要になるのではないでしょうか。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による宿泊関連業への影響と今後の予測」

参考資料:デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による宿泊関連業への影響と今後の予測」(2020年8月)

執筆者
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
イノベーション事業部 FAプラットフォーム
ヴァイスプレジデント 先崎 知之

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