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3分でわかる!年買法(年倍法)とは?メリットや注意点についても解説!

基礎知識・ノウハウ

M&A

皆さまは「年買法」という言葉を耳にされたことがありますか。すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。

今回は、M&Aの見積もりの際に耳にする「年買法」について、3分で分かりやすく説明いたします。

1.年買法とは?

年買法とは、M&A検討の際に、企業のプライシングを行う見積もり手法の1つとして、広く使用されている計算方法です。

計算式は、「純資産+営業権」です。
※営業権とは、利益×数年分にて算出されるケースが多くみられます。

例えば、以下のような会社があったとします。
今回は、様々な要素を踏まえて、利益を3年分で見積もると仮定します。
その際の計算式は以下の通りです。

(例)A社
利益  10百万円/年
純資産100百万円

計算式⇒ 100百万円+10百万円×3年=130百万円 

計算方法について、おわかりいただけましたでしょうか。
それでは、次の章で年買法のメリット・注意点をみていきましょう。

2.年買法のメリット・注意点とは?

まず、年買法のメリットとして、以下があげられます。

・簡易的な計算方法であるため、わかりやすい
・「営業権」という概念が、利益の数年分で計算されることが多く、取引当事者同士の合意形成を図りやすい

一方で注意点としては、以下があげられます。

・明瞭な計算方法が確立されていない
計算に用いる利益は、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれなのか、利益は何年分を考慮するのか等
・設備投資や減価償却費、税効果、時価評価等の論点に対して、統一された実務が存在していない
・企業価値評価手法とは区別されることが多いため、取引条件に関する裁判等が発生した際に、別途、企業価値評価が必要となる場合もある
・多角的な企業価値評価手法とは異なり、純資産と利益のみの値に左右されるので、ケースによっては理想的な価値との乖離が発生する

ここまで計算方法・メリット・注意点をみてきました。

年買法について、おわかりいただけましたでしょうか。

シンプルかつ理解しやすい年買法ですので、広く使用されていますが、あくまでも簡便的な値付けの手法になります。その点を考慮いただき、上記のような注意点を理解した上で、利用されることをお勧めいたします。

また、「M&Aプラス」では、M&Aにおける初期的なご質問・ご相談を無料かつ秘密厳守にてお受けしております。問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

執筆者
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
イノベーション FAプラットフォーム
アナリスト 櫻井 桃子

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