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M&A仲介業務に対してプラットフォーマーが思うこと

基礎知識・ノウハウ

M&A

昨年末に河野規制改革担当相が大手証券会社主催セミナーや自身のブログでM&A仲介業務のあり方について見解を述べて以降、同業務に関する記事や資料を目にする機会が増えたように感じます。

1.河野氏が言及したM&A仲介業務とは

河野氏は、M&A仲介業務には利益相反が発生する可能性があり、そのリスクを最小化する為に中小企業庁が2021年夏までに何かしらの仕組みづくりを講じる旨述べています。

M&A仲介業務は、売手・買手双方のアドバイザーを一者が務めるため、仲介業務にかかる手数料も基本的に両社から徴収することになります。その際、「高く買ってほしい売手」「安く売ってほしい買手」「手数料を徴収したいアドバイザー」の中で利益相反が発生する可能性があり、業界的にも以前から多くの意見が交わされているテーマとなっていました。

「M&A仲介自体が日本特有の文化であり、公平で合理的な取引を進める為には、欧米のように売手買手それぞれの代理人同士で交渉を進める(FA方式)べきである」という意見も根強かった中、上記の見解は、業界全体にも大きなインパクトを与えることになりました。

2.中小企業庁は動き出しているのか

では、河野氏の発言通り、中小企業庁は何かしらの仕組みを講じ始めているのでしょうか。

中小企業庁は2021年4月28日、有識者メンバーにて実施された計6回の検討会を経て「中小M&A推進計画」を取りまとめました。この計画では、経営資源集約化等を推進する為に今後5年間で官民が実施すべき様々な取組みが具体的に示されています。

その中で、M&A支援機関の信頼感を醸成する取り組みとして「登録制度を創設」することが謳われています。これまで、M&A支援業務(仲介・FA問わず)を業とするための許認可や資格は必要なかったため、いわば「誰でも始められる業務」になっていました。特に2000年代以降M&A仲介会社が増加し、足元では国内に約400社のプレイヤーが存在していると言われています。

もっとも、M&A支援業務を進める為には多くの専門的スキルやネットワークが必要になるため、「始める」ことが容易でも「続ける」ためのハードルはかなり高いものとなるわけですが、今回の登録制度の創設により、同業務を実施する為には国に対して何かしらかの届け出を行うことがほぼ確実なものとなりました。

あくまでも私見ですが、M&A支援機関登録制度の詳細は公表されていないものの、事業承継・引継ぎ支援センターや各種補助金の活用など、国が推進している事業承継関連施策との連携には少なからず影響が発生するものと考えています。

3.M&A仲介業務に対して思うこと

プラットフォーマーとして全国の皆様とお話をしていて強く感じるのは、私がここまでお伝えしてきたような仲介業務を取り巻く情勢や業界慣行などのリスク要因が、M&Aの当事者となる中小企業の経営者にはまだまだ浸透していない、ということであり、むしろそのことの方がリスク要因になりうると考えています。

国も中小M&Aガイドラインの普及や、各種補助金を活用したデューデリジェンス・セカンドオピニオン利用の推奨を進めていますが、私のようにM&Aの機会を提供する立ち位置にいるものもその役割を担うべきであると感じています。当社はマッチングプラットフォームを用いた知見のある専門家のご紹介だけでなく、M&A・事業承継に関与する皆様のスキル・知識の底上げを図る目的で、E-learning等による当社ノウハウのアウトプットも繰り返し実践しています。

今後も、全国の企業とM&A支援機関を繋ぐ機会を提供する立場として、関与する全ての皆様が同じ目線で取引に参画し、アドバイザーの座組に関しても適切な判断ができるよう、情報提供に努めてまいります。

このコラムを読んでくださっている方がM&A業務に携わる際は、専門家向けプラットフォームサイトである当社「M&Aプラス」ならびに、M&A関連スキルの醸成を目的とした「デロイト トーマツ アカデミー」までお声がけをいただけますと光栄です。

※文中の意見や見解に関わる部分は私見であることをあらかじめお断りしておきます。

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