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IFAがM&A関連業務に取り組むべき理由(後編)

基礎知識・ノウハウ

M&A

後編では、前編であげたような背景を踏まえ、当欄として活躍を期待しているIFAからみたM&A市場のポテンシャルについて解説いたします。

2.IFA からみたM&A市場のポテンシャル

(1)国策に合致している

株式市場にはご存じの通り有名な格言がたくさんあります。「まだはもうなり、もうはまだなり」「休むも相場」など米相場発で江戸時代から語り継がれるような有名な相場格言がある一方で、比較的新しいものに「国策に売りなし」という格言があり、お聞きになったことがある方も多いと思います。政府の方針に合致した銘柄は軽々しく見切ってはいけない、というような意味で使われます。中小M&Aに対しては、今年度補正予算で 「経営資源引継ぎ補助金」 という制度の活用が利用者に呼びかけられました。経営する会社を売ろうか、というオーナーがアドバイザーに相談する際の報酬や、買いたい事業があるという人が案件を探すためにかかる費用などが補助の対象となります。予算規模は1兆円を超えており、この市場が大きくなることに対する政府の期待を示しています。

(2)報酬が高い

「金融商品取引」という経済活動は開示義務の標準化がもたらす権利の明確さに支えられています。株式も債券も投資信託も、法律で厳密に権利と義務が定められており、安心して、スムーズに取引ができるようにしてあるという大きな特徴があります。この標準化という特徴が一つはコモディティ化、もう一つはデジタル化による価格競争にさらされやすい、という要因の一つになっており、冒頭の手数料無料化という抗いがたい流れにつながっていると考えられます。一方でM&Aの業務には、標準化により手順を簡略化する、というアプローチが成立しづらい「取引ごとの個別性の高さ」という特徴があり、要求される丁寧な仕事に見合った報酬が成立しています。中小企業庁が2020年3月に策定した 「中小M&Aガイドライン」 には、あくまでも一例としてではありますが、下記のような報酬テーブルが標準的なものとして示されています。官庁が、こういった水準の報酬を当然のものであると公開していることは覚えておく必要があります。

図表レーマン方式

出所 中小企業庁「中小M&Aガイドライン」

(3)大企業のネットワークがなくとも相手を探す手段がある

従来のM&A業務においては、会社や事業を売却したいというニーズに対しても、取得したいというニーズに対しても、ニーズに合致するよい提案をするためにどれだけ多くの企業とネットワークを有しているかということ、つまり大企業であることが必要条件であると考えられていました。情報管理という面からも大企業が単独で対応することにより、外部の関係者への情報流出のリスクを抑制することができるメリットを評価する声もありました。それが近年では様々なM&Aプラットフォームのサービスが生まれ、その利用者が増えてきています。中小M&Aに対するニーズが徐々に顕在化してきたことによる必然的な世の中の変化、ということもできます。プラットフォームを活用すれば、大企業のようなネットワークを持たずとも、多様な案件にアクセスすることができますし、利用者が会員に限定された「クローズド型サービス」を選べば、情報の流通範囲をコントロールすることも可能です。案件の規模によっては、大企業に対して組織としてのコストの違いなどで優位に立てることもあります。金融ブティックだからこそニーズにこたえられる、そのような事案がこれからの市場の中心になることが予想されているのです。

(4)譲渡成立後の業務

日々IFAとして業務に追われている皆さんにとって、M&A関連業務という新たな取り組みで成果を出すことなど簡単ではない、という印象をお持ちであっても無論それは否定できません。お客様のなかに会社を売却したいといったニーズがあって相談を受けたとしても、実績のある提携先などに紹介して関与を回避する、という選択肢がとられるのも仕方ない面もあると思います。ただ、実際にお客様からそういったご相談を受けられるほどの信頼を得ているIFAであれば、自らそれに取り組むための様々なサービス体制や政策的なサポートなども充実してきていることは事実です。最初の1件を仕上げることができれば、その経験と実績を生かせる場面は格段に増えるでしょう。そして売却が成立した後に、売り手にとって切実な次の課題は、売却代金に対する適切な資産管理アドバイスとなるはずです。お客様にとって極めて重要な局面に、主体的な関与を通じて信頼を得ることができれば、IFA本来の業務で存分に活躍する機会となることも期待できるのです。

おわりに

デロイト トーマツでは、デロイト トーマツ アカデミーのM&Aシリーズで、「プロフェッショナル養成講座」などのe-ラーニング教材が提供されています。理論編演習編などのほか、「中小企業M&Aの失敗事例と対応策」のような具体的、実践的な内容のものもあり、経済産業省による「中小M&Aガイドライン」などとともに、M&A関連業務に取り組むことを検討する際には参考になると思います。

執筆者
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
イノベーション事業部 FAプラットフォーム
ヴァイスプレジデント 先崎 知之

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