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七味唐辛子とM&A

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あっという間に年越しそばを口にする日が近づいてきましたが、皆さんは七味唐辛子がなぜ七つの香辛料で構成されているか考えたことはございますか。

諸外国と比べ、スパイスの文化が深く浸透していない日本になぜ七味唐辛子が登場し、現在まで愛され続けているのか。今回は日本とスパイスの歴史からその謎を紐解いていきたいと思います。

1. スパイスの歴史

コショウやシナモン、ターメリックといった古くから親しまれてきたスパイスは、全て紀元前3000年ごろのインダス文明にルーツがあると言われています。

熱帯地域に属するインドは気候面でもスパイス栽培に適しており、インダス川の水運を活かしエジプトやメソポタミアとの交易も盛んだったため、古代より広範囲のスパイス貿易が行われていたという説が有力です。また、宗教上の菜食主義もスパイス料理の発展に大きく影響していると考えられています。

一方、四季があり、海と山に囲まれ新鮮な食材が容易に手に入る日本では、素材の味を活かす食文化が醸成され、「臭い消し」の用途でもあるスパイスは長らく浸透することはありませんでした。

そのため日本では、素材の味を引き立てる「薬味」としてのスパイス文化が広まっていくことになり、「辛さ」に対する抵抗が根深く残ることになったと言われています。

2. 七味唐辛子の誕生

そのような日本に16世紀ごろ唐辛子が持ち込まれます。

当初は物珍しさから口にする人も多かったものの、前述のように「辛さ」に慣れていない日本国民からは「海外から持ち込まれた刺激物」として次第に好まれない食材になっていったようです。

そのような中、東京の東日本橋の商店が唐辛子を使用した商品を開発します。当時の東日本橋界隈は「医者町」と呼ばれるほど医者や薬屋が多く、周辺も健康にちなんだ商材を取り扱う商店が軒を連ねていました。店主は漢方薬にヒントを得て、唐辛子に六つの自然食材を調合することで辛さを抑え、最高級の薬味として「七味唐辛子」を販売したのです。

その後この七味唐辛子の評判は瞬く間に江戸中に知れ渡り、食文化の発展とともに日本全国に広まることになりました。当初は受け入れられなかった唐辛子が、他の素材と組み合わせることでウィークポイントを見事に払拭し、国民的スパイスとして日本の食文化を豊かにすることになったのです。

3. 七味唐辛子とM&A

私は経営者様から企業の譲渡に関するご相談をお受けする際、「こんな会社なんて誰も譲り受けてくれない」「財務が痛みすぎて誰も関心など示さない」というお声をいただくことがあります。

確かに、様々な事情で現状の事業単体では立ち行かなくなっている企業が存在するのも事実ですが、そこには経営者であっても気づいていない強みや魅力が隠れていることも多くあります。私は人間と同じように第三者にしかわからない魅力こそ、真の強みだと考えています。

M&Aで重要なことは、第三者から見た譲渡希望企業の強みを、どうすれば最大限に活かせるかを考えることです。かつての唐辛子がそうだったように、一見文化にマッチしない商材であっても、観点を少し変えて、他の要素と組み合わせることで新しい何かを生み出せる可能性がどの企業にもあると考えています。

何かと組み合わせることで、弱みを強みに変える、もしくは強みをさらに伸ばす。M&Aはその可能性を見出せる非常に有効な選択肢です。ご自身の企業の強みに悩まれている経営者様は、是非第三者のどなたかにご相談をされてみてください。きっとご自身では気が付かなかった何かがそこにはあるはずです。

当社の「M&Aプラス」にはそのヒントを示してくれる専門家の強固なネットワークが存在しています。相談先に迷われることがあれば、是非当社までお声がけください。事業発展を願う経営者様のお手伝いを、我々の「M&Aプラス」が担うことができるのであれば、この上なく光栄です。

皆様が健やかに新年を迎えられますことを、心よりお祈りしております。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

執筆者
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
イノベーション FAプラットフォーム
シニアアナリスト 牟禮 貴史

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