M&Aマッチングプラットフォームにおける売り案件掲載時のコツ

2020/12/18

事例紹介

FAが大切なお客様から預かった売却案件をマッチングプラットフォームへ掲載する際、案件についてどの程度詳細を書くか悩まれると思います。

買手の立場になって、どのような売却案件の探し方が効率のよいマッチングに繋がるか考えてみましょう。

1．「案件の魅力度」と「特定リスク」はトレードオフ

案件情報をマッチングプラットフォームへ掲載する際、記載の仕方について、どのように決めていますか。どの程度詳細を書くかを悩まれる方もいるのではないでしょうか。

M&Aプラスでは一般的なノンネームシートよりもやや少ない情報で案件掲載が可能ですが、特に対象会社の魅力や強みについて、なるべく詳しく記入したほうが多くの買手につながる見込みが高くなります。「案件の魅力を伝えること」と「特定されるリスクを抑えること」は詳細さをキーとしたトレードオフの関係といえるのです。

例えば、対象会社の『所在地』についてです。M&Aプラスでは「関東」「関西」などの地域で設定するか、「東京都」など都道府県で設定するか選ぶことができます。また、どうしても全国のどのあたりかかも知られたくない場合「その他」という項目に設定することが可能です。

逆に、「23区内」などより詳細な所在地について、タイトルや事業内容に書くケースもあります。この場合、特定されるリスクは上がりますが、できるだけ詳細に所在地を書いた方が、届いてほしい買手に繋がる可能性が高くなります。

また、事業内容についても、例えば対象会社が「広告業」だとして、この情報だけ書くよりも、広告の媒体はどのようなものか、広告の製作における強みはなにか、具体的にどのような製品・サービスの広告を請け負っているか、など詳細を記載したほうが買手FAの興味を引くことができるほか、意外なシナジーのある買手の提案がくるかもしれません。

M&Aプラスは案件情報の記載の自由度が高いだけでなく、案件の公開範囲がFA会員に限られます。

さらに、必要に応じて非開示先設定をかけることができるので、例えば同県内のFAを非開示に設定するなど、上手に活用しながら買手FAへの見せ方をコントロールしましょう。

案件内容はいつでも任意のタイミングで編集可能なため、案件掲載後になかなか買手とマッチングできないときは、少しだけ詳細情報を足してみるなどの更新をするものいいかもしれません。

2．案件詳細の記載により、問い合わせの確度を高める

売却案件の詳細を記載することで案件を魅力的に感じてもらえる可能性が高くなるほか、初期的検討のための煩雑な質問のやり取りを省くこともできます。

例えば、M&Aプラスでは財務内容について、直近期の売上高と営業利益のみが入力時の必須項目となっていますが、これらに加えて減価償却費・役員報酬・純資産や、土地建物の有無など買手FAがはじめに知りたがる売却価格に影響する情報を記載することで、初期的検討をするための質問のやり取りを省くことができます。

また、売却価格の決定にかかわる情報に加えて、売手の目線についても、書いた方がよいでしょう。M&Aプラスでは希望売却価格は「応相談」のほか「1～3億円」と幅を持って記載することができますが、それに加えて備考などに「株価●円、負債引継ぎ●円」などの目線を記載して事前に買手FAに提示することで、買手の資金力が足りない・投資目線から全く外れているなどに当てはまるケースの問い合わせが減り、結果的に問い合わせの確度が高くなります。

また、ノンネームシートを買手に提示する前でのネームクリア要否やFA間でのNDA締結タイミングなどディールの進め方に関わる事項や、企業概要書が既に準備できているか・売手からの資料待ちであるか・案件受託の状況など案件の進捗に関わる情報も記載しておくと、マッチング後の買手FAとのやりとりがスムーズになるかもしれません。